発表内容要訳 |
発表内容(スライド)
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本題に入ります。「病気を診て人間を診ない」と最近いわれています。人間を治すのが私の本望です。私自身、薬も注射も大嫌いです。温泉に浸かって健康維持をしようと、物療内科をめざしましたが叶わず、開業内科医をしています。治療は一般的に薬剤治療と手術療法に大別できます。2000年に入り、再生医療が出てきました。ほとんどが外科系ですが、血管を遺伝子で作るとか、立体的なところでは膀胱ができたなどの報告があります。
一方、進歩している代替医療、セルフメディケーションがあります。長岡教授がいわれたビタミンサプリメント、運動療法、リハビリ、漢方が含まれます。日本では2000年になって初めて容認されてきました。アメリカでは1993年から始まっています。アメリカに日本食ブームが起こり、日本は逆輸入です。ファーストフード・ブームですか。むしろ、スローフード・ブームがアメリカに起こっている状況です。セルフメディケーションには広い意味があります。これだけの高レベルの研究会は今日が初めてだろうと思います。
薬物療法のなかには標的治療と経験的治療があります。標的治療は範囲が狭まり、最近では遺伝子治療、制ガン剤治療が入ってきており、診断されたものをターゲットにします。
私たちはほとんどが経験的医療です。ステロイドが登場し、セリエの学説が出たころに、タイトウファイザーがエルターハイドロコーチゾンを出しました。私が医学部2年のときでしたから、40数年前のことです。後にエイズでも有名になられた塩川教授が膠原病内科を作られる前ですが、若い医局員だった私は「ステロイド治療は本当に根本的な治療ですか」といって、塩川教授に憎まれました。今でも、ステロイドの治療が続いていますが、最近になって、やっとこれが経験的治療や根本的治療でないことがわかってきました。
免疫療法、いわゆるセルフメディケーション、固体の免疫力を上げてやろうという治療法が出てきたのです。今日の午前中に横浜で日本内科学会総会があり、私は自己免疫性疾患の勉強会に参加してきました。「一つの治療には副作用が発生する」という報告が多かったように思います。私はたまたま長岡先生や豊島先生を介し、こういう物質があるが…ということで話しを持ち込みました。以前から、腸内フローラを正常にしておけば免疫機能が上がるだろうと考えていました。これを使う機会がありましたので、少ない症例ですがご紹介します。
症例は6例、平均年齢は65.5歳。投与期間の平均は18カ月。自己免疫性疾患、アレルギー疾患に入るものであり、診断基準に沿って診断していますが、関節リューマチが56歳、69歳の女性です。ジンマシン59歳、76歳の女性。強皮症、61歳女性、末梢の血管炎、72歳男性です。
これは強皮症で、ある病院でステロイドの療法をしていました。ステロイドが効かないときに大量投与をして徐々に減量する方法です。紹介されて来た患者さんでした。手がソーセージ状に膨らみ、唇が腫れ、顔が真っ赤になる、関節痛があります。服用期間は23カ月です。自己免疫疾患ですから、白血球を採取して説明します。
リンパ球数は赤、好酸球は下に記載しています。白血球数は増加し、ロイコインデックスがありますが、もう古いかもしれません。好中球とリンパ球の比で免疫機能を示しました。正常値は子どもが1.0、異常は2.8以上です。これが正常値に入っていれば、リンパ球数、白血球数が維持できています。
これを見ると、リンパ球数は投与前が1,042、23カ月後には1,260と増え、症状もばらつきがあるものの全体的には改善しています。これは、69歳女性です。合併症に甲状腺機能低下症があります。この方は、手足、肘、関節破壊を起こしています。27カ月間、熱心に服用しましたが変形だけが治りません。リンパ球数も良くなっています。
この方も関節リューマチです。ストレスが原因のようで、リンパ球数が上がっています。関節が良くなっている。手の発赤も良くなっています。好酸球は異常なしです。
これは高血圧とめまい、不眠症の76歳女性です。非常に良くなっています。好酸球も減り、リンパ球数が上がっています。症状は24カ月の現在、ほとんどありません。
この方は2型糖尿病と高脂血症、安定型狭心症があります。皮膚科で治療を受けたのですがN21を投与したら、このように改善されました。現在はN21と糖尿病のコントロール、高脂血症の治療だけです。
この方は私の1年先輩の精神科医です。結核菌製剤の影響があるようで、皮膚科でしもやけと診断されました。末梢血管炎ではないかということで、現在治療中です。手のこわばり、疼痛がありますが指の潰瘍がありません。手が真っ白になるデーノード現象も良くなりました。
これはコントロールとして、私です。白血球数とリンパ球、好酸球を見てください。明らかにリンパ球数、ロイコインデックスが正常範囲にあり、リンパ球が多くなっています。これは共同援者の女性ですが、5月2日の2番目、ロイコインデックス3.4、その後、正常になり、リンパ球数が少しずつ増えています。
リンパ球が免疫反応を表しますが、リンパ球にはβ細胞とT細胞があります。骨髄細胞が10から15,16%、後はT細胞です。胸腺は免疫をコントロールしていますが、20代以上
になると減少し抵抗力が低下します。リンパ球が上がっていけば、免疫機能を維持できます。好酸球は炎症性ですから、括弧内はコントロールです。減少する、抗炎症作用があるだろうと。ロイコインデックスはほとんど正常です。症状では「やや改善」が5例、「改善した」が1例です。
結論です。リンパ球は今、問題になっています。今日の日本内科学会でもT細胞、β細胞の互いの反応や刺激が問題になっていますし、治療として極端な場合は、末梢、白血球の除去作用がやればいいし、一時的に2、3日後に、元の白血球に戻ります。β細胞を刺激して未熟細胞を伸ばそうということだそうです。
結局、リンパ球が多くなっていけば好中球は減少します。リンパ球の増加がかなり免疫機能に影響しています。アレルギー性疾患も抗炎症作用が、好酸球が減少しているので、私たちの目からはそう推測できます。
問題は、普通の薬剤と違い免疫性疾患やアレルギー性疾患は長期の療養を要します。だから長期の服用が有効だと思います。全例ともに肝障害や腎障害は1例も認められません。今後、ますますN21を中心にして免疫機能の増強作用、維持作用のサプリメントが増えていけばありがたいと思っています。
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